薬酒としてのお酒。『五臓六腑に染みわたる』!?
皆様、こんにちは。
前回、薬酒が医の原義(醫)としても使われてことを書きました。
薬酒について。薬酒は医の原点?『毉』から『醫』へ、そして「医」へ。
本日は、なぜ医療の中で薬酒が主流でなくなったのかを説明します。
1.酒が飲めない体質の方は飲めない
2.酒は効きすぎる
の2点です。
2つ目を詳しく説明します。
お酒を飲んだ時に、
『五臓六腑に染みわたる』
と感想をもらす方がいるように、
お酒はカラダの奥にまで浸透します。
いっけん、効き目が深そうで良い気がしますが、
医術として扱う場合は、少し問題があります。
気の通り道である経絡(けいらく)の内、
治療で主に使う経脈(けいみゃく)だけでなく、
通すつもりのない絡脈(らくみゃく)までも、
いつの間にか通してしまう場合があるからです。
簡単に言いますと、薬酒による治療は、
治療家の予きせぬ方向に薬が作用する場合があり、
予後が予測できないことが問題なのです。
そのため、歴史的に薬酒から湯液(生薬をお湯で煎じる)治療へシフトしていったのでしょう。
ちなみに、現在流通している薬酒が危険というわけではありません。
あくまでも今回のお話は、医の変遷のお話です。
現在、薬酒を飲まれている方で体質に合っている方は安心してお飲みください。
それでは皆様、本日も素敵な一日をお過ごしください。
和奏漢方堂【自由が丘】院長
薬剤師(専門:漢方)・針灸師
東京理科大学薬学部 漢方研究室 卒業
アロマテラピーインストラクター
ソフィアフィトセラピーカレッジ講師
1978年 神奈川県生まれ
自らの病気(喘息・アレルギー体質)を漢方医学で治した経験から、
自分と同じように、西洋医学では対応できない症状で苦しんでいる人をサポートしたいと思い、
2006年「和奏漢方堂【自由が丘】」を開業。
漢方薬・鍼灸など漢方医学を軸に、
伝統医学から近代医学まで分野にこだわらず、
多岐にわたる療法の中から臨床において実践・効果的な療法を研究し、
独自の治療法を確立。
患者様が安心してより健やかな生活を送れることを願い、
気の診断を利用した「漢方薬相談」や
【ネオヒーラー×ツボ刺激】の施術を行っている。