冷たいものをなるべく摂らない【病気改善のための基礎のセルフケア】
冷えは「万病の元」と言いますが、
冷えで悩みつつ、
冷たいものを飲んだり、食べたりしている方はいませんか?
今回の記事を読んでいただくと、
どうして冷たいものが体に良くないのか?を理解でき、
上手に冷たいものと付き合っていくコツは何なのか?がわかることで、
納得して、無理なく、「冷たいものをなるべく摂らない」
というセルフケアを実践できるようになります。
冷えでお悩みの方、
体のだるさでお悩みの方、
長年の不快な症状でお悩みの方は、
このセルフケアを実践することで、
鈍っていた内臓が働きだし、
冷えの改善や、
からだのだるさの解消、
様々な病気の改善に役立ちます。
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なぜ冷たいものが体によくないのか?
では、なぜ冷たいものが体によくないのか?
それは、人間が恒温動物であるからです。
恒温動物とは環境の変化に対して、
一定の体温を維持する動物のことです。
人間は生命活動を維持するための適温として、
36度~37度という体温を維持しています。
この働きはとても大事なもので、
カラダは24時間1秒たりとも怠けずに、
自動で制御してくれています。
36度~37度という適温の時に、
カラダ全体として、
一番高いパフォーマンスを発揮できます。
しかし、キンキンに冷えたものをとり、
体の中が冷えますと、
生命活動を行うための適温から外れることで、
体の機能が低下します。その結果、
内臓の働きが低下し、
血液の流れも悪くなり、
免疫力も低下します。
また、漢方薬をはじめとした健康療法の効果の低下を招きます。
全ての健康療法の基本は、
体内を温め、血流を良くすることです。
一つの例として、漢方薬の働きを見てみましょう。
冷たい飲み物は、漢方薬の効果を低下させる!?
体を家に例えますと、漢方薬は暖炉に当たります。
暖炉によって家の中が温まりますと、
この家の様々な機能が上がると想像ください。
この時に冷たいものを飲むことは、
家の中に直接冷たい水をバシャーとかけることに当たります。
するとせっかく温まっていた家の中も一気に冷えてしまい、
結果家の機能は下がってしまいます。
ですので、漢方薬を飲みながら、
冷たいものを摂取することは、
矛盾していることで、
とても、もったいないことをしていることになります。
冷たいものを摂らないための実践方法
ここまでで、体の中を冷やしすぎることは、
様々な問題点があるということが分かっていただけたと思います。
ここからは、冷たいものを摂らない実践的な方法をお伝えします。
ベストは体温に近い36度~37度付近、
またはそれより少し高い温度のものを摂取することです。
これが一番体に負担がかからず、
かつ体の機能を高めてくれます。
重い病気を治したい方などはこの温度がオススメです。
常温の水分でOK!
しかし、毎回この温度にするのは手間がかかります。
そのため、通常は常温のもの、
冷たくないものを摂取することで十分です。
今まで冷たいものを普通にとってきた方は、
冷たいものを止めるだけでも、
体への負担が相当減ります。
注意点としては体を温めた方が良いといって、
アツアツのものを摂りすぎることは危険です。
あまりにアツアツなものを摂りすぎると、
食道を痛めてしまいますので気を付けてください。
お風呂上りの水分摂取法
また、お風呂上がりの冷たいものはとてももったいないので止めましょう。
ゆっくりと湯船で温まり、
お風呂あがりに冷たいものを摂られる方が時々いますが、
結局冷たいものをとってしまっては、
冷えの改善にはならないので、注意してください。
お風呂あがりも常温の水分がオススメです。
夏などの季節、
お風呂あがりに冷たいものが欲しくなるのであれば、
お風呂から出る直前に、
やや冷たいシャワーで体を少し冷やしてから、
お風呂から出るのがオススメです。
お風呂あがりの冷たいものへの欲求が抑えられます。
実践するための5つのコツ
では、ここからは今回のセルフケアを実践する上での5つのコツをお伝えします。
①運動中や暑い季節は、中ではなく、外を冷やす
運動中や暑い季節は冷たいものがほしくなりますが、
その場合に冷たい飲み物を飲みすぎると、内臓の働きが低下し、
体全体の機能が低くなってしまいます。
ですので、このような場合も常温がオススメです。
この時にお勧めのコツは冷たいものを飲むのでなく、外を冷やすことです。
例えば、冷たいペットボトルを買って首筋や脇を冷やし、
常温になってから中身を飲むなどです。
または、長めの手洗いも効果的です。
3分~5分ほど手洗いをすると、血液が冷やされて熱感をとることができます。
外を冷やしても、内臓は冷えないように体は調整します。
そのため外を冷やすことで、内臓の働きの低下を防ぎつつ、
熱さに対応することができます。
運動中や暑い季節は水分補給が大事です。
中ではなく外を冷やすというコツをいかししつ、
常温の水分を摂取して、パフォーマンスを高めてください。
この方法は熱中症対策や夏バテ防止にも役立ちますなります。
②アイスが食べたくなった時のコツ
2つ目のコツは、アイスが食べたくなった時のコツです。
冷たいものがダメとなると、アイスは食べてはいけないのか?
と落胆する方もいると思いますが、
大丈夫です!アイスはたべられます。
口の中で温めて、溶かして常温になってから飲みこめばアイスを食べても問題ありません。
この方法をとると、冷たい感覚や甘みは口の中で十分に味わえるが、体の中は冷やしません。
この食べ方のメリットは、
ゆっくり食べることになるので、
少ない量のアイスでも満足できることです。
ただし、注意点もあります。
それは、ソフトクリームを食べるときです。
ゆっくりと食べていると、ドンドン溶けてくるので注意してください。
口の中で温めてから飲み込む方法はアイスだけでなく、
冷たいヨーグルトなど、いろいろな冷たいものを飲食する時に応用できます。
③冷たいお酒の飲み方のコツ
3つ目のコツは冷たいお酒が好きな方へのコツです。
お酒もキンキンに冷やしたものでなく、
常温のものを飲むと、肝臓の働きを低下させることがなくなるので、
次の日の体調がよくなります。
私は家ではビールも常温で飲みます。
「ビールは冷たくないと美味しくない。」
と思われる方が多いと思いますが、
常温のビールに慣れてくると、
味の違いが良くわかり美味しく感じるものです。
その上で、冷たいお酒が好きだ、飲みたいという時には、
チェイサーをぬるめの白湯にすることで、
少しでも体への負担を減らすことができます。
また、日中に飲む、お酒以外の飲み物は常温を徹底するなどがオススメです。
④体が熱くて冷たいものが好きな方へのコツ
4つ目のコツはは、体が熱くて冷たいものが好きな方への方法です。
手足が温かく、私は冷え性でないという方には2種類の方がいます。
一人は血液の巡りがよく、とても良い状態の人。
もう一人は火照っている人で、実は体の中が冷えている人です。
火照っている人は、実はかなり体が冷えている場合があります。
通常冷たいものをとると、体の中が冷えます。
普通に冷えますと、手足が冷えるなぁと感じます。
しかし、体の中が冷えが大きくなると、自然治癒力が働き、
冷えをどうにかしようと冷えの周りに熱をもちます。
この状況ですと、本当は体の深部が冷えているのに、
手足や顔が熱く火照ったように感じます。
この状況になると、冷たいものが欲しくなります。
冷たいものを飲むと、
より体の深部が冷えるより熱が生まれる、
より火照る。
そしてもっと冷たいものが欲しくなる。
という悪循環が生まれてしまいます。
ですので、このような場合は、始めは辛くても、
まずは2週間だけ常温生活を試してみてください。
体の中の冷えが緩和されると、熱が少なくなり、
ほてりなどの感覚がなくなり、冷たいものが欲しくなくなります。
そして、さらに常温生活を続けていけば、体の中の冷えが無くなります。
⑤冷たいものが止められそうにない方へのコツ
5つ目のコツは、冷たいものが止められそうにない方へのコツです。
それは、『まずは2週間、徹底的に試してみる』です。
冷たいものなんてやめられない。
今そのように思う方もいると思います。
しかし、2週間徹底的に常温生活をすると、体が変わります。
すると心が変わります。
今考えていることと、2週間後に考えていることは変わるかもしれません。
ポイントは徹底的に試すです。
しっかり試さないと自分に合っているかどうかを判断できないからです。
このアドバイスを試された方で、
いまとなっては冷たいものを飲むと、
「体がだるくて、飲みたいと思わない。」という方も多いです。
ですので、まずは2週間だまされたと思って試してください。
その上で、やっぱり冷たいものが欲しい・好きだという方は、
堂々と冷たいものを飲んでください!
冷たいものを飲むと、私の体は元気になる!
と思いこむことも大事です。
全ての健康法に当てはまりますが、その健康法をすることによって、
人生が辛くなってしまっては、もともこもありません。
そのストレスが、体へ悪影響を及ぼすこともあります。
ですので、2週間常温生活をしたうえで、
冷たいものが大好きだ、という方は、
ぜひ、どうどうと冷たいものを楽しんで下さい。
まとめ
それでは、最後に今回の記事のまとめをお話しします。
今回オススメしたセルフケアは、冷たいものをなるべく摂らないです。
シンプルな方法ですが、体に与える、良い影響は大きいです。
私は、小さいころから大学生のころまで、
ガブガブと冷たいものをとっていましたが、
早くにこのセルフケアのことをしっていれば、
もっと早く、より良いカラダになれたのになぁと思っております。
皆様も、今からでも遅くはありません。
人間が恒温動物であることを思い出し、冷たいものをとりすぎない。
暑い時は外を冷やしたり、
冷たいものを摂るときは口の中で温めてからとるなどのコツを活かして、
まずは2週間、常温生活をお試しください。
和奏漢方堂【自由が丘】院長
薬剤師(専門:漢方)・針灸師
東京理科大学薬学部 漢方研究室 卒業
アロマテラピーインストラクター
ソフィアフィトセラピーカレッジ講師
1978年 神奈川県生まれ
自らの病気(喘息・アレルギー体質)を漢方医学で治した経験から、
自分と同じように、西洋医学では対応できない症状で苦しんでいる人をサポートしたいと思い、
2006年「和奏漢方堂【自由が丘】」を開業。
漢方薬・鍼灸など漢方医学を軸に、
伝統医学から近代医学まで分野にこだわらず、
多岐にわたる療法の中から臨床において実践・効果的な療法を研究し、
独自の治療法を確立。
患者様が安心してより健やかな生活を送れることを願い、
気の診断を利用した「漢方薬相談」や
【ネオヒーラー×ツボ刺激】の施術を行っている。